- にる
- I
にる【似る】〔「似(ノ)る」の母音交替形〕(1)ある物が他の物と同じように見える。
「アユに〈に〉た魚」「よく〈に〉ている人」
(2)性質・状態などに共通点を持つ。「性格は父親に〈に〉ている」「これとよく〈に〉た話を聞いたことがある」
(3)それに相応する。 適合する。「おそろしい顔に〈に〉ずやさしい心をもっている」「ゆりと言へるは否と言ふに〈にる〉/万葉 1503」「着たるものの, 人のさまに〈に〉ぬは/源氏(玉鬘)」
似て非なり〔孟子(尽心下)〕外見は似るが実体は異なる。似ても似つかぬ全然似ていない。「~別人」
似れば似るもの(驚きを込めて)似ているとはいっても, これほどまで似ているとは。IIにる【煮る】食物を, 水または調味料を加えた汁に入れて加熱し, 食べられる状態にする。「里芋を〈にる〉」「うす味で〈にる〉」「〈に〉た魚」「今日あづきがゆ〈に〉ず/土左」
→ ゆでる煮て食おうと焼いて食おうとどのようなひどいことをしようとも。「~おれの勝手だ」
煮ても焼いても食えない相手がしたたか者で, どうにも手に負えない。 もてあます。「~奴(ヤツ)だ」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.